オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
7 彼は……何点?
希和side
年の瀬迫ったある日。
街は煌びやかなイルミネーションで彩られ、
勿論、御影百貨店内のどのショップもここぞとばかりに着飾っている。
そんな百貨店内を巡回していると……。
「希和」
「はいっ」
「何か、欲しいモノがあるか?」
「へっ?」
「暫く仕事で外出出来ないから、気に入ったモノがあったら、遠慮なく言え」
「……………と、特にこれと言って……」
唐突に振り返って何を言うかと思ったら……。
京夜様なりの気遣いだという事が、嫌というほど伝わってくる。
だって、京夜様の眼差しが、仕事の時とは違う………優しい瞳をしているから。
「十分頂いておりますから……」
「………」
京夜様から頂けるなら、何だって構わないけど。
でも、モノが欲しい訳じゃない。
私が欲しいのは、あなたと過ごす時間と……。
そして、あなたが私だけに心を下さること、ただそれだけ。
おこがましい願いだと、重々承知している。
それでも、思わずにはいられない。
生涯、あなたの傍にいると決めたのだから。
私の返答が気に入らなかったのか、
京夜様は眉間にしわを寄せて、再び歩き出した。