オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
咄嗟に朱夏の腕を取り、その場から逃げるように去ってはみたけど……。
私が御影財閥の御曹司の相手だと知れるのも時間の問題。
同窓会もこれが最後の参加になるかもね…。
「ちょっと、希和っ!」
「……ん?」
「ん?じゃないわよっ!あんな女、あの場でけちょんけちょんにしてやらなきゃ、気が済まないじゃないっ!」
「だからって、口にして良い事と悪い事があるでしょ?」
「でも……」
「朱夏の気持ちは凄く嬉しいよ。ホント、ありがとね」
「………ん」
朱夏はいつだって私の味方。
男っぽいってだけで注目の的だったのに、
華のある朱夏と一緒にいる事で、付き合ってるんじゃないか?なんて噂も絶えなかった。
そんな噂を微塵も気にせず、至極普通に接してくれた彼女。
ううん、違う。
そんな私だからこそ、大事にしてくれた。
嫌な思い出も沢山あった高校時代だけど、それだけじゃない。
素敵な思い出だって沢山ある。
走馬灯のように彼女と過ごした時間を思い出しながら、
次から次へと並べられているお料理のもとへと……。
「朱夏」
「ん?」
「会費って、5000円だよね?」
「そうだけど?」
「5000円にしては、お料理が豪華すぎない?」
「そう?」
「だって………、飲み物だって、ビールやチューハイ以外にもシャンパンまであるし……」