オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


約束の16時少し前に彼女の実家に到着した。

エンジンを切り、助手席に載せてある胡蝶蘭の鉢を手にして……。

心を無にして深呼吸。

そして、静かにインターホンを押すと、

エプロン姿の希和が姿を現した。


「お待ちしてました」

「………ご両親は?」


少し緊張した面持ちで彼女に尋ねると、


「いらっしゃい。どうぞ、上がって?………京夜さん」


彼女の背後から彼女より大分小柄の女性が姿を現した。

………彼女の母親だ。


「ご無沙汰しております」

「挨拶は後にして、どうぞ中へ……」

「………はい」


希和の柔らかい笑みは母親譲りのようだ。

母親は軽く会釈すると、家の中へと入って行った。

そして、希和もまた踵を返し部屋の中へと。

けれど、俺は………。


車と玄関を3往復程すると、


「京夜様!?これは一体……??」

「……………見ての通りだ」


希和が驚くのも無理はない。

玄関の上がり框に足の踏み場もない程の品物が……。

けれど、驚くのはまだ早い。

助手席や後部座席の品だけでなく、

まだトランクにも沢山の荷物があるのだから。


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