オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
希和side
3月15日、大安吉日の朝5時半。
アラームで起床した私は、すぐさま1階へと向かった。
既にキッチンで朝食準備をしている母親。
「お母さん、おはよう」
「おはよう。よく寝れた?」
「うん」
京夜様も気に入って下さった母親お手製の味噌の香りが、鼻腔を擽った。
「手伝うよ?」
「じゃあ、トマトを切ってくれる?」
「はーい」
既に皿にベビーリーフ等の葉物が盛り付けてあり、
そこにトマトをカットして盛り付けるようだ。
今日の結納の段取りと、
その後の婚約披露パーティーの式次第を説明していると、
電動髭剃りを片手に父親が姿を現した。
私と母親の会話が聞こえて来たから、自分も再確認したいと……。
緊張しつつも、久しぶりに会話が弾む朝食となった。
7時過ぎ、私は一足先に自宅を出発した。
結納は10時、披露パーティーは11時からの予定。
だけど、私は支度に時間がかかる為、7時半入り。
御影の専門スタッフによるトータルコーディネート。
メイクからヘアセット、衣装に至るまで完璧に。
自分では決して出来ないプロの技に魅了されながらも
あっという間に予定時刻の10分前となった。