オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


「心配すんな、俺を誰だと思ってる」

「でも……」

「お前は何も考えず、花嫁修業でもしてろ」

「ッ?!/////」

「この俺様を満足させられるように、精々頑張るんだな」



口調はぶっきら棒だけど、

これ以上無いほどに優しい笑みを浮かべた彼。


しかも、頬に触れる指先は

壊れ物を扱うみたいにとても繊細にそっと触れる。



あなたのその言葉、

私は信じてもいいんですよね?



照れ隠しなのか、彼はさっさと自室へ行ってしまった。

そんな彼の後ろ姿を眺め、決意を新たにする。



京夜様に人生の伴侶として選んで貰う為に。

京夜様のご両親に嫁として受け入れて貰う為に。


京夜様の隣りに立っても見劣りしないような

………相応しい女性にならないと!!


そして、彼の胸に何の躊躇いも無く飛び込む為に。




私の花嫁修業は、この時………幕を開けた。


< 31 / 456 >

この作品をシェア

pagetop