オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


お義母様……。

有難うございます。

現実を受け止めきれず、逃げ出した私をこれほどまでに想って下さって。



日本から持参した医師の所見が入っていた封筒の中に

お義母様の封書が添えられていたらしい。

私は診療記録だけとばかり思っていたし、

見ても医学の事は分からないから開けもしなかった。


封書の中には別の封書も添えられていたらしい。


♢♢♢

女性にとって、性器にメスを入れるという事は相当の覚悟が要る決断です

それが、悪性の病であったり、緊急を要する手術であるなら受け入れる事も出来るでしょう

けれど、成功率100%でない手術だという事と

術後も絶対に危険を伴わないとは言い切れないという現実を受け入れるには

多くの時間が必要となります


それでも、もし本人が決断した時は、当方で全面協力致しますので、

下記までご一報下さいます様、お願い申し上げます。

♢♢♢


直筆の英文で書かれたものが添えられていたらしい。

エイミーはそれを持って師事している教授に掛け合い、

御影の力も借りて、世界中にいる専門の医師とコンタクトを取り、

最強の医師団を結成したと言うのだ。


そして、あらゆる状況にも備えた上で子宮形成術を提案したのだと。

だから、毎日忙しくバタバタしていたという。

そんな事も知らず、私は毎日湖畔で日向ぼっこしてたというのに。


ありがたい、本当に有難い。

うれしくて、嬉しくて……。



世界中で行われている手術であっても、100%安全とは言えない。

手術をする以上、危険を伴うし、術中に何が起きても不思議ではない。

勿論、術後も。

状態によっては再び癒着することもあるし、合併症を起こすこともある。


だけど、可能性が1%でも増えるなら。

神様がまだ私を見放していないのなら、挑戦したいと思った。


だって、『夢見ることができれば、それは実現できる』って、

私の大好きな世界的エンターテイナーが言ってたもの。



だから、私は最後の大勝負に出ると決断した。

どんな時も、勝利した自分を思い描いてーーー


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