オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「それで、どうだったの?」
先に口を開いたのは母親だった。
「ん」
「少し幼い感じはあるけれど、品を兼ね備えてるし、京夜には勿体ないくらいのお嬢さんよ」
「………そうだな」
俺は母親を真っ直ぐ見据え、冷静に言葉を紡ぐ。
「その調子だと、春先にはお式が挙げられそうね」
「あぁ。桜が咲く頃には、真っ白なウェディングドレスを着せてやりたい」
「あらっ、ホント?!」
俺の言葉で一瞬にして明るい表情を浮かべる母親。
そんな母親に……、俺は超特大の爆弾を投下した。
「希和と結婚する」
「えぇ…………ぇえぇッ?!今、京夜何て言ったのッ?!」
「だから、希和と結婚するって言ったんだ」
「えっと………。ちょっと、京夜、……頭大丈夫?」
母親は驚愕のあまり、気が動転しているようだ。
まぁ、無理もないが。
「母さんに………話がある」
「ん、何でも聞くけど……とりあえず、珈琲を一口飲んだら?」
「いや、いい。母さんこそ、飲んだ方が良いんじゃないか?」
「えっ?………えぇ、そうね」
母親は俺にチラチラと視線を向けながら、
ゆっくりと珈琲を口に含んだ。