君の絵を描かせてくれ。
私の秘密。





『お父さんお母さん、ただいま!』





帰国した翌日、私は実家にお土産を渡しにきていた。




しかし、実家に来たのはそれだけが理由ではない。
しっかり話をしなきゃいけないことがあったから。2人もきっとその話を帰国してからしようとしてたはず。




仕方がない。いつかはわかってしまう事。














『これがお父さんで、こっちがお母さんでしょー。それから………。』





「あら、そんなによかったのに〜。」





「真莉羽、そこに座りなさい。」


きた。


「お前ももう、わかっていると思うが、父さんたちはお前にずっと黙っていたことがある。」


『うん。わかってる。パスポート作るときに書類見ちゃったからね。』


「すまない。お前が二十歳になったら話すつもりだったんだ。」



そう、私は〝養子〟だったんだ。


『いいの。むしろ韓国から帰ってくるまで待ってくれてありがとう。』


『確かにね、お母さんのお腹から産まれてきたんじゃないんだってのはショックだよ。でも、私をここまで育ててくれたのは間違いなく2人なんだから。それは紛れもない事実。血が繋がってるとかないとか関係ないよ。私の家族は2人しかいないんだから!』



「真莉羽っ………!」


『ちょっと、やめてよ。お母さんが泣くから私までっ………。』



2人は子供ができず、施設から私を引き取ったんだって。



むしろ感謝しかない。

実の娘のように育ててくれたんだから。


産んでくれた人は他にいるとか、そんなのどうでもいい。


私の家族は、ここにいる2人だけなんだから。

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