君の絵を描かせてくれ。






そんな……













『ねぇ、おじさん!いつもそこで何描いてるの?』





あの時の本当の答えはこうだ。





「君を描いてる。」













真幸さんは、いつもあの階段で亡くなったご両親のために、私の絵を描いていたんだ。






きっと遠くから見てるだけのつもりだっただろう。

なのに、私はそんなことも知らずに話しかけてしまった。












手紙の最後のごめんは……

あの夜の過ちに対して。




あの時、真幸さんはどんな気持ちで私に触れていたんだろう。
















してはいけない恋だった。

何も知らない私の言動が、行動のすべてが、真幸さんを苦しめていた。












なんてバカなんだろう。

なんてことをしてしまったんだろう。




< 37 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop