業務報告はキスのあとで
「…………」
私は平岡さんに返事はせず、ただ睨みつけるようにして見ると席を立ちその場を立ち去った
オフィスを出て、ただ、行く宛もなく廊下を歩くだけ。
こんなのただのサボりだというのは分かっているけれど、堂島さんの話を聞いて、おまけに冷たい視線を浴びた直後に平岡さんと話す気になんてなれない
大体、こんなことが無くたって私は平岡さんなんかとはなしたくはなかったし、話したつもりもないけれど。
そんな事を思いながら歩いていると
「………ひゃ、っ!?」
急に右腕が掴まれ、私の足は絡まるようにしながらもぴたっと止まった。