業務報告はキスのあとで
頭をあげると、すぐに去ろうと背を向けてしまう松岡くんに私はどんな言葉をかければいいのかと考えていたけれど
かける言葉なんて、どう考えたって、どれだけ考えたって、全然見つからなくて。
だけど
「……松岡くん!」
「え……?……はいっ!」
私は
「あ……ありがとう!」
嬉しかった、と咄嗟に口にしていた。
「こちらこそありがとうございました!短かったですけど、小松さんと…皆さんと仕事ができて楽しかったです!」
松岡くんはそう言うと、ニコリと笑ってまた背を向け歩き出す。
私はそんな背中を最後まで見送ると、また、オフィスへと足を進めた。───