業務報告はキスのあとで

「あのさ、胡桃ちゃん」

「…なんですか」


私は、頰がまだ熱いままで平岡さんの方をゆっくりと見る

すると、意外にも真剣な表情で私を見ていた平岡さんに緊張が走った。


「これは冗談とか口説きたいからとか、そういうの無しで言うけど。

胡桃ちゃんが来ないってことは1人主役がいないってこと。それはつまり、お誕生日会に誕生日の人がいないってことと同じ。胡桃ちゃんはもう俺らの仲間になったんだから参加しない理由、ないでしょ? それに何より、胡桃ちゃん来ないと俺が楽しくないからさ」


だから、来てよ。ね?



なんて、いつも冗談ばかりの平岡さんの口から出てきた言葉達。

最後に付け足された、優しい『来てよ』という一言。


これも冗談かもしれないし、嘘かもしれない。

それなのに、平岡さんがあまりにまっすぐ私を見るから、私の気持ちはぐらりと大きく揺れてしまった────。






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