業務報告はキスのあとで




数日後



「……小松さん、ごめんなさいね」

「ごめんなさい」



何故か私の元へとやって来た堂島さんと牧野さんが、自分が資料を隠しましたと来てくれた

言わなければ分からなかったのに何故言いに来たのかと考えたけれど、分かるわけもなく。



でも



「い…いいえ、もう気にしてないです」



気にしてない、気にしている、以前に

あの事件は結局、平岡さんが既に私から資料を受け取っていたのにその事を忘れていて、後日平岡さんのデスクから見つかった。ということになっている。


これは平岡さんが私をはじめ、牧野さんや堂島さんをオフィスにいやすくする為についた嘘。


いつものようにヘラヘラと笑いながら資料は自分のデスクにあったと説明していた平岡さんに、皆は冗談交じりに怒り、でも、笑っていたから私はとても不思議だった。

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