激愛
あの頃のあたしは不安を拭い去るように勉強も頑張ったし運動も頑張った



運動会ではリレーの選手にもなったし校内の絵画コンクールでは入賞だってした




あたしがいい子になればお父さんもお母さんもきっと仲直りするはず・・・・



そう信じて疑わなかった




でも、そんなあたしの頑張りとは裏腹に月に何度か帰って来ていたお父さんの帰京がぷっつりと無くなった



淋しくて淋しくて思い余ってお母さんに尋ねると決まって言われるこの言葉




「お父さんが居なくても瞳にはお母さんがいるでしょ?」




「あ・・・うん」




最近お父さん全然帰って来ないから逢いたいなって思っただけなのに・・・・




その言葉を浴びせたかったけどぐっと堪えて心の奥深くに呑み込んだ



そんな我が家もしばらくは平和な日々が続いた




お母さんの仕事は忙しくこの頃は夜遅くなることもしばしばだったけど・・・・



でも休みの日も疲れて遅くまで寝ている母に申し訳ないと思いあたしはこの頃から家事を少しづつだがやるようになっていった





そんな土曜日の昼下がり、二階で洗濯物を干していると突然来客を告げるインターホンが静かな部屋に鳴り響いた





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