激愛
第21章
「おい!話聞いてるか?オムライスで本当にいいのか?勝手に頼んじまって悪いけど」




「あ、うん!大丈夫・・・・それよりも隼人あたしが食べさせようか?あたし食べるの遅いし」




龍さんの言葉に一瞬我に返る・・・・はあ~意識が別の所に行ってた



考えてみるとあたし龍さんの家族のこととか何も知らないかも



まあ龍さんも言わないしあたしも家族のことはきちんと話してはいないからお互い様なんだろうけど・・・



ただこうしているとつい錯覚しちゃう



本当の家族みたいだなって・・・・そんなことをふと思いながら隼人に微笑みかけた



「ねえ、先に食べちゃってよ・・・隼人が食べ終わったらあたしも食べるし」



「そうだなそのほうがいいか、じゃあ先に食うぞ」



そう言いながら隼人の前に座る龍さん



隼人は取り分けたうどんを手づかみで食事中



そんな隼人を見つめる龍さんの瞳は何時になく優しげだ



一瞬ドキリとしたけど平静を装って隼人にうどんを取り分けた



「くくくっ・・・・すげえ食い方だな?お前よく噛んで食わねえと駄目だぞ、足りねえならまた作ってもらうからいっぱい食え」




あたしは隼人がこぼしたうどんを拾いながら龍さんの言葉に苦笑いを浮かべた
< 260 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop