激愛
あの人もお父さんの愛を強く欲していたけど結局心はすれ違ってしまった



たぶんそれは亡くなったお母さんもなんだろう



やっぱり言葉にして気持ちを伝えるって大事なんだと思う



お母さん達も自分の気持ちにもっと素直になっていたら離婚という結果にはならなかったのかもしれない




まあ、それは結果論でしかないけど・・・・



「不幸になるだけか・・・そうかもしれねえな、っていうかここ最近は瞳以外の女と接してねえから」




「は・・・?そうなの?あたしてっきり龍さんには彼女とかいるんだとばっかり・・・・」




「あほが!女なんかいたらいくら家政婦が来るとはいえ瞳と同居なんて出来ねえだろうが?
まあ、隼人も一緒だけどったくありえねえだろ」



龍さんは呆れたようにあたしを見つめると人差し指で額をそっとつついた



あたしの前では素の自分を見せてるんだとしたらあたしは少しは龍さんの役にたってるのかな



そんなことを思いながら流れる車窓をふと見上げた



あと一週間だけ竜谷に通うことになったけど頑張らなくっちゃ



せめて黒覆面のことをなんでもいいから突き止めないと・・・・




決意も新たに龍さんとの新生活を送り始めたあたし達




平和な日常を揺るがす激震はもうすぐそこまで来ていた
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