激愛

第２４章

「はい、コーヒーでよかったかな？喉渇いたでしょ」



「あ、ありがとうございます・・・・ありがたく頂きます」




あたしが缶コーヒーの蓋を開けて一口飲むと隣の総一郎さんが肩を震わせている




「くくくっ・・・しかし、瞳ちゃんのあんな一言で蜘蛛の子散らすように逃げ出すとは」




「あたしもびっくりです、咄嗟に思いついたのがあの言葉しか浮かばなくて」



あの後あたしがおまわりさーんと叫んだあとどうなったか



偶然おまわりさんらしき人がバイクで公園を横切ったらしく・・・・



男達はそれを見るとあたしを突き飛ばし脱兎のごとくその場を後にした



何とも呆気ない・・・・総一郎さんによると横切ったひとは警察官ではなかったらしく




「あれ、警察の制服じゃないし・・・・」　「・・・は？」



「もしかしなくてもあれは警備員の制服、勘違いってやつかな？何にしても助かった」



そう言って柔らかく微笑むとあたしを見つめる総一郎さん



公園のベンチに座り深い溜息をつくとコーヒーを飲んで静まり返った公園をぼーっと見ていた




どれくらい時間が経ったのか気が付けば連絡もしていないことに改めて気が付く




ポケットの携帯に触れた瞬間、総一郎さんの声が耳に響いて来た