激愛
瞳・・・・・あたしはこの名前がとても気に入っている



両親があたしにくれた最初の贈りもの



その曇りない瞳で自分の人生を、未来を切り開いて行ってほしい



そんな願いを込めてつけてくれたって言ってたっけ




あたしは矢追瞳、今中三の受験生



半年後の高校受験に向けてまあ頑張ってますってとこかな



「ふ~寒っ!まだ10月だってのに・・・・パーカーだけじゃ寒かったかな」




あたしは黒いお気に入りのパーカーのファスナーを締めると足早に歩き出した




駅から数分という好立地の高層マンションにあっという間に到着



何をかくそうあたしはこのマンションに一人で暮らしている



自動扉が開きキーを差し込むと目の前にあるもう一つの自動扉が開いた



エレベーターに入り7階のボタンを押す




7階の自分の部屋に到着するとキーを差し込みドアを開けた




「ただいま・・・・」




真っ暗な自分の部屋、誰もいない部屋なのに何故か言ってしまうその言葉





あたしは溜息をつきながら洗面所に向かうと鏡の中の自分を見つめていた
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