激愛
そんな冷めた考えの受験生であるあたしは進学先で迷っていた



翌年に控えた高校受験、こう言ってはなんだがあたしの成績は決して悪くはない



いつも学年10番以内に入っている



仙台の高校に進学するよりも東京の高校に進学したい



そんなことを思っていたんだけど、お父さんには言いづらい



あたしが散々悩んで志望校を決めかねているとお父さんはあたしの気持ちを察したのか東京の高校に行くことを快く許してくれた




何故なら翌年の4月から再び東京に勤務することが決まったから・・・・




弟と美由紀さんは仙台に残ることになりあたしとお父さんは東京に引っ越すことになった




親権はお父さんになったけれどまだ1歳にも満たない子供を母親から引き離すのは忍びない




そう思ったお父さんは息子を美由紀さんに託すことを決めたんだそう




一瞬不安があたしの頭を過ったけれど・・・・




実の母親なんだもん、ちゃんと面倒みるよね?



この考えが甘いものだったと後悔するのはもう少し後のこと



結局あたしとお父さんは師走も押し迫ったクリスマス前再び東京へと舞い戻っていた




引っ越しに追われてすでに東京に行ったあたしを龍一が仙台で血眼になって捜していたなんて
あたしは知らない
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