激愛
夜も7時を回った繁華街は昼とは全く装いを変えていく



まあ俺の住んでる東京の地元でもそうだがここ仙台でも夜ともなれば派手な装いに身を包んだ男や女が何処からともなく湧き出てくる



地元では俺はちょっとした有名人、だがここ仙台では俺の顔を知っている奴なんていないだろう




そう思ったのが間違いだった・・・・繁華街の裏道を通って大通りに抜けようとしていた時だった




派手なドレスを着た一人の女とすれ違う、女はすれ違うと俺の名を呼んだ



「あれ?もしかして神龍の龍一くんじゃない?」




・・・・・は?ってか・・・・こいつ誰?



胸の開いた白いドレスに身を包み巻き髪の派手な化粧の女



髪をかきあげているその手には真っ赤なマニキュアが綺麗にされているのがふと、目に付いた



「ねえ・・・総ちゃんは元気?今どうしてんの?」



「あ・・・?なんで総一郎のこと?どうでもいいけどお前誰だよ?俺見覚えねえんだけど」



「相変わらず失礼な奴ね~まあいいけど・・・・何度か総ちゃんのお相手した美奈って言えばわかるかな?ホテルまで龍ちゃんに来てもらったことあるんだけど覚えてない?」



女はそんなことを言ってのけた、あ~こいつ昔何度か総一郎の奴が相手した女の一人だ



こんなところで遭うなんてまさしく・・・・世間は広いようで狭い




そんなことを思っていると女はそっと近づいて俺を上目遣いで見上げるとふいに躰を摺り寄せてきた
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