~言葉~【短編】
先生…先生…。


「…先生?」


ちょっと遠慮気味に語りかける。


「悩みか?」


「え、悩みなのかな…」


「言ってみー?」


真剣なのに優しい口調。


「好き、先生が…」


「え…」


誰もいない廊下であたしの声がかすかに響いた。


先生は足を止めて、目を合わせずに言った。


「そんな冗談やめてくれ…」


「冗談何かじゃ…!!」


先生は遠くを見てた、すぅーごく遠く…。


知ってた、先生は自分が先生と言う夢を叶えて嬉しかった事。


よく言ってた…、「生徒は皆大事!可愛い教え子だな?」って…。


邪魔しちゃいけない、あたしは子供。


大人になりたかった。
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