犯罪彼女
被害者の背中に刻まれていた“神”の文字。
この文字は何を表しているのか。
例えば、物に名前を書く時のことを考えよう。
物に名前を書く目的は三つある。
「商品名みたいにその物を紹介するもの」
「所有者がわかるように書かれたもの」
「手紙の宛名として書かれたもの」
そう考えれば、「被害者=神」「犯人=神」「犯人=神に関心のある者」のどれかが考えられそうだと思わない?
……正直、情報からはここまでしかわからない。
だからここから登場するのは女の勘というやつ。
「神を語る偽物が、本物を待っている」
私は今回の事件をそう感じた。
そしてその仮定とさっきの前提を合わせて考える。
犯人はきっとこう考えるんじゃないかな。
偽物の存在を許さない私は、犯人を追い詰めようとする。
犯人を追い詰めるために得た情報から、荒木田高校の女子が狙われていることに気付く。
私は犯人を見つける為に、荒木田高校に対して何かしらの行動を起こす。
そこまでいけば犯人も満足だろう。
誰も正体を知らない神の本性を知ることができるのだから。