【完】狼様の最愛。
side アオイ
空気の震えを感じた。
咄嗟に、俺は振り向く。
「アオイ様?」
今俺とヒルナは学校から帰る途中で、いつも通り山の広場を通りすがろうとしていた。
「どうしたのです? アオイ様。」
急に立ち止まり、来た道を見つめる俺を不思議そうに見るヒルナ。
それを見て、広場で小動物達と遊んでいたマンタもこっちへとやって来る。
「どうしたんだ?」
「アオイ様が急に立ち止まって……。」
二人には感じなかったのか。
一瞬、空気が酷く震えた。
まるで大きな叫び声。
山の木々達がざわめく。