【完】狼様の最愛。
side 山添最愛
丸くて深い、記憶の壷。
二つの壷があって、二つに鎖はついてなかった。
「どっちが、あの嫌な記憶なの……?」
夢の中、私は首を傾げる。
知りたい記憶、知りたくない記憶。
確率は二分の一。
左か、右か。
「……頭痛がする。」
考えてる内、また頭が痛くなって、私はその場に座り込む。
その時、私の視界に誰かの足が映った。
「誰……?」
顔を上げて後悔した。
その場に立つ人に、顔は無かった。
背筋がゾッとし、後ずさる。