【完】狼様の最愛。
ゆっくり、私たちはそのときを過ごした。
特に何かをすることなく、ただ話しただけ。
何の話をしたかは、あまり覚えていない。
夕日が沈みかけて、やっと私たちは腰を上げる。
「帰るか。」
重ねていた手を繋いで、元来た道を歩く。
海がザブーンと、小さな波を立てた。
「……私……本当は、学校なんて行きたくない。」
まるでアオイは、その言葉を待っていたかのように頷いた。
「……怖いよ。」
もうこっちに来て、早くも二週間が経った。
眼が覚めて直ぐ、お祖母ちゃんに言われた言葉を思い出す。