イケメン三兄弟と同居する事になっちゃった?!



***



「じゃぁ、俺たちは上の階だから。
綾斗が変なことしたら俺たちに教えてね。授業頑張って。」


「うん。ありがとう。」



隠し扉の前で、優斗くんがそんなことを言ってくれた。


綾斗くんが少し可愛そうな気がするけど……、


まぁ、いっか。



「ゆずに手出したら俺たち二人が黙ってねぇかんな、綾斗。」


「分かってるってー♪大丈夫!!」



人だかりができる前に私達は各自、教室へ戻った。


戻るって言っても、綾斗くんは私と同じ教室だから……ね。




「ゆずちゃんっ!!手繋ご?」


「えっ…ここ…学校だし……。
あと、もう教室つくし…。」




そう言った瞬間、綾斗くんが落ち込むのが分かった。

やば……綾斗くんが可愛すぎて……。


「じゃぁ………代わりに…」


私は、差し出された綾斗くんの手をにぎにぎした。

……私、こんな事する人だったっけ?

心臓が爆発しそうなのを何とか抑え、平常心を保つ。



綾斗くんをチラリと見れば、少し頬が赤くて満足げだった。


「ゆずちゃん……手ちっちゃくて可愛い……。」


顔赤くしながら、そんな事言われるとこっちまで顔赤くなるっていうか…。



……あ。教室…。



教室のドアが近くにあることを確認した私は、にぎにぎしている綾斗くんの手を離した。



< 29 / 187 >

この作品をシェア

pagetop