口の悪い、彼は。
 

部長からあちこちに与えられる甘すぎる刺激や、初めて見せつけられる部長の表情に、私は完全に溺れていた。


「や、部長……っ」

「……ヤってる時に“部長”とか呼ぶな。萎える」

「な……っ!?」


それって……!

そ、そういう……


「あっ……ん!」

「余計なこと考えんな」


全く使い物にならなくなっている脳内で、必死に部長の台詞の意味を考えているのに、部長の動きや言葉はそれを許してくれない。

悔しいことに、予想すらできないくらいの甘さが部長から溢れ出しているのだ。

……つまり……


「っ!!あっ、ちょっ……だめ」

「ほら、ちゃんと呼べ。小春」

「!!は、反則……や、んっ」

「どっちがだよ。そんなエロい顔して」

「!!えろ、って、……ほ、ほんとに待っ……んむ!」


部長から与えられる刺激に耐えられなくて顔を背けてしまうと、部長の手が私の顎を捕らえ、唇が落とされる。

唇が離れて目を開けると、そこには切なさを増した部長の表情があった。


「っ!」

「待たねぇよ。顔そらすな。俺のことだけ見てろ」

「~~っ!……っ」


部長の方が何十倍も何百倍もエロいと思うんですけど!

……と言うことすら許されないまま、私は結局、そのまま何度も身体を揺さぶられ、夢の世界に連れていかれてしまったのだった……。

 
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