The Fool−修正版−
「焼肉ニシテヤルヨ」


「炎ごと、凍らせてやるよ。昔の様にな」


日本の巻物に記されているような大蛇のような青い龍となったゴザ。


その口から水が勢い良く吹き出し、幕内の身体を借りた、炎の巨人マハに襲い掛かる。


水は当たるとすぐに蒸発し、辺り一面に霧が発生した。


「フムフム、霧カ、中々使イ勝手ガアリソウジャアナイカ」


霧の中で


姿知祈の声がした。


瞬間。


霧が渦を巻いて渦の中心に吸い込まれる。


「御馳走様」


「ぬぁ!霧でコンボ決めようとしたのに!」


「ばるチャン…邪魔シナイデ!」


「邪魔だ!退けェ!」


マハとゴザが一斉に攻撃を繰り出す。


ゴザは口から氷塊を、マハは手から炎を。


「オ前達カラ能力取レレバ、スグニ退ケルノダガ」


そう言って、両手をそれぞれの攻撃に向けて。


ゴッキュュッン、と。


吸い込んだ。


「デハ……“別けられし紫(ブルーレッドブルー)”……コイツヲ強クスルタメニ戦ッテクレナイカ」


バルトアンデルスとなった姿知祈が上空を見上げる。


そこには、マルスがいた。


両腕が見えないくらい眩しく青く輝き、両脇には人のようなモノがいる。


両脇の何かがカタカタとしゃべる


「我はカラド」
「我はホルグ」


それは一体の髑髏。いや、一対の髑髏といった方が正しい。


合わせればピッタリと合いそうな半分ずつの髑髏が笑う。


「“硬き雷(カラドホルグ)”の力」
「“鋭き雷(カラドホルグ)”の力」


「そして我が主の力」
「そして我が主の力」


「とくと、ご覧になって頂こう」
「とくと、御堪能して貰います」


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