私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中
鎖。


ーー12月14日AM3:50


ガチャリーー。


「わっ……」


隼に見つからないように、と
静かにドアを開けたのに。


『こんな時間まで何してたんだよ。』


腕組みしながら壁にもたれかかって、
こちらを見る隼が目の前にいたのだ。


「…友達と話盛り上がっちゃって」


鋭い眼光が私を射抜く。

隼はゆるり、とした動きでこちらへ歩み寄ってきて無表情のままその手で、私の髪をすくった。


「な、に。」


『俺、こいつの香水嫌い。』


ふわり、と香る甘い匂い。

そういえば、飲み会のあの日も私には先生の匂いがついてたんだっけ。




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