私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中


「私、昨日ね。」


『うん。』


「先生に会った、の。」


高校時代にあった事。

そのせいで今までに何度もうなされて
家を飛び出していたこと。

ーー隼と会ったあの日、先生のことが
忘れられずに消えてしまおうと思っていたこと。

言葉に、何度も詰まる私の頭を
撫でながら話を受け止めてくれる隼に、

この人と、出会えてよかったと
心から思った。


『夏織、

ーー今までよく頑張ってきたね。』


隼のその言葉に、鉛の様に重たくなった記憶がふっと軽くなる。


『…じゃあ、次は俺の話ね。』


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