好き✕好き

透李くん、出るかなぁ?

そんなことを思いながら通話ボタンを押した。


プルルルル……プルルルル

『もしもし、美愛?』

久しぶりに聞く透李くんの声は前と変わらず低く優しい声だった。

『う…うん!今、大丈夫?』

『大丈夫だけど、どした?』

『あっ…あのね!』

勇気をだせ、私!!

『初詣一緒に行きましぇんかっ?』

あっ……噛んだ///////

『ぷっ…』

携帯の向こうから聞こえる透李くんの笑い声。

ハア…やっちゃったよ…

『ふっ…なんだよ、そのことか。真剣な声で言うからなにかと思った。そのことなら俺も言おうと思ってた。ってことで…10時30分神社集合でいい?』


『うん!分かった、準備して行くね!』

『あぁ。』

プツッ……

透李くんとの会話が終わったあと私は電話を切った。

今は10時。

30分あればなんとかできる!

私はアタフタと寝間着からデート服に着替えボサボサの髪をさっさと直した。

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