至上最強の総長は私を愛しすぎている。~DARK NIGHT~ Ⅱ
「マジ、苦しいから離せって」


「あ、ごめんっ……」


いつまでも抱きしめていると、いよいよ本気で嫌がられて。


仮にも目覚めたばかりの和希にやり過ぎたかと、大人しく引き下がる。



喜びを爆発させたあたしとは対照的に。


まるで、気配をなくしたような凌牙はどうしているのかと横に首を振ると。




目頭に手を当てて、俯いていた。


「……っ……っ……」


……小さく肩を震わせながら。





「……凌牙……」




壱冴に何をどう吹き込まれたか分からない和希が、寸前で"兄"を選び。


自分の命に代えてでも、兄を守ろうとした和希。


息をしているだけでいいと言った和希が。


こうして、また、目を開いてくれて……。


凌牙は今、これ以上ない喜びを噛みしめているんだ……。
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