風が、吹いた
やがて。
「でも多分…浅尾はくらもっちゃんの事が好きだね。」
ふふふと確信めいた笑いを溢す。
「そんなわけないよ」
思いもよらぬことを言われて面食らった。
「じゃなきゃあいつが朝練の後に昇降口で待つわけないよ」
言われてみれば。
ついこないだ知ったばかりだが、浅尾はサッカー部だ。毎朝練習があるはずで。
ーだけど。
「いつも制服着てたからわからなかった」
ぼそっと無意識に呟くと、
「着替えてるんだよ」
当たり前の回答をいただいた。