風が、吹いた
とりあえず、目の前に置かれた名簿を整理することに集中する。
それから来年の修学旅行の為のアンケート。
いつの間にか誰もいなくなった教室には、紙の音しか聴こえない。
早く終わらせてバイトに行かないと佐伯さんに悪いという気持ちと、早く行けば行くほど、先輩と顔を合わせていなくちゃならないのがいたたまれないという気持ちが、自分の心をかき乱す。
「あー!もう」
心のキャパオーバー。思わず口から漏れる溜め息。両手を上に伸ばした、ら。
ガタッ
自分のものではない物音に、はっとして振り返る。