風が、吹いた




途中にある信号の曲がり角に、明るい街並みとは不釣合いな、暗い森がある。



いつも通り過ぎながら、ちらと目をやる癖がついている。





小さな森の奥には、小さな家が見えた。


色あせた木材の、白っぽい家には、さらに白い木枠の窓がある。



密かにお気に入りの家だった。



誰が住んでるのかー



そもそも住んでいる人がいるのかすら、知らなかったけれど。

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