【短】あまく愛されたい



「はい、水持ってきた。氷入り」




仁さんが笑った。珍しい。



もう私には笑顔を見せてくんないと思った。



なんか無駄に泣きそうだよ。




「…ありがとう」


「まだ暑いでしょ?」


「まぁまぁ、」


「体温測りなよ」





彼にそう言われて、水を飲んだあとで体温を測ることにする。





彼から冷えた水を受け取ると、水を飲むためにマスクをはずし



水を口に流し込んだ。





――――ボタボタボタ。




あまりに勢いよく口に含んでしまい、口の端から水がこぼれてしまった。





「きゃっ、」




「あー、何やってんの」





だってだって…!




言い訳をしようと一瞬考え、止めた。





< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop