プリムラ・オブコニカ



ゆっくりと教壇に立ち、口を開く。

クラス全員の目が私をとらえているのがわかる。


………よし。

「きょ!今日からこのクラスに入ることになりやした!名古屋恵理香ですぅ!これから宜しくお願いしまっ」


やらかしたああああ!!

うわ、噛んだ!『しまっ』じゃないよ何やってんだよ名古屋恵理香ァ!!
しかも直前に『……よし。』とかやってたから余計恥ずかしい!埋まりたい!還りたい!土に!


てか松江先生が爆笑してるんですけど。そろそろ始末の対象にするぞアイツ。

「ぶっ!!ハァ…!え、えり、恵理香の席はあ、あそこっぶっふぁ!だからな!」

笑って涙目になりながら席教えてきやがりましたよこの先生。

いつもだったら「イケメンの涙目……!?写真を撮らなくては!」となるところだが、爆笑故の涙で、しかも自分が笑いの対象のときは話が違う。

つい睨みつけてしまう。憎たらしい涙よ…!

まあ、一拍おいてクラスの皆様も爆笑してくれたから結果オーライということで。

松江先生は許さないがな…!私は根に持つタイプだぞ!!


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