私のシンデレラストーリー❊✧.。.:*








 
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「ふーーーーっ」







帰宅するなり雪崩れ込むようにソファーに倒れた。





今日は早めの帰宅。





ゆっくりくつろぎたい気分だけど、夕飯作らないと!!





夕飯の支度にとりかかっていると、








プルルルルルル






電話が鳴った。




「もしもし、鈴木です」





電話に出ると、掛けてきたのは母だった。





『もしもし、ひより?元気にしてる?』






「はい、お母さま。元気にしています」







母親に敬語なんて笑える。




私は、捨てたつもりでも未だに“お嬢さま”には変わりない。






『急なんだけど、今度パーティがあるの。東京のホテルでやるんだけどね、みおりは海外で来られないし、しおりは高校生で学校もあるし、東京に住んでるあなたに出てもらおうと思って…………』






私の存在理由。




それは、妹や姉の代わり。




余った私にパーティに出ろと母は言っている。





パーティに出る理由なんて一つ。




私は、両親の娘役を演じればいいだけ。




“娘”という役でパーティ会場にいて愛想を振りまけばいいのだ。






「………分かりました。日程は?」





『明後日の日曜です。あなたは3時にマンションの外に出てなさい。迎えの車がいるから。それとドレスはこちらで贈るからそれを着なさい。それでは、明後日。』






用件を伝えられ、切られた電話。






虚しい機械音だけが、電話の向こうから聞こえる。







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