重い想われ 降り振られ
繋がる心
仕事を片づけ、真っ先に経理課に駆け込む菜奈。

橘の姿を探したが、すでに帰宅した後だった。

昼の休憩時間に松田から聞いたのは、橘が真理子に想いを告げに行った事だった。

休憩から戻った真理子の目は、真っ赤だった。

どうなったのか結果が知りたくて、橘を追いかける。

迷わずに橘のマンションに向かった。

インターホンを鳴らすと、びっくりした様子で橘はマンションの扉を開いた。

菜奈はエレベーターに飛び乗り、橘の部屋の前まで来ると、玄関の扉を開けた。

「何だよ。まだ帰ったばっかりで何も無いぞ?」

橘はスーツのネクタイを緩めながら、脱いだばかりの上着をイスに掛けた。

「橘さん、真理ちゃんに告白したってホントですか?」

「なんでそんな事、早からお前が知ってんの。」

橘は、やれやれと呆れながらソファーに座った。

菜奈も橘の隣のイスに座る。

「松田さんから聞きました。」

なるほどと納得しながら、橘はシャツに第一ボタンを外す。
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