重い想われ 降り振られ
何と答えていいのか、返答に真理子は困った。

橘の事を真理子に聞いてきたという事は、遠藤は橘と真理子の間の出来事を
少なからず知っているという事だ。

「どうして橘さんの事を、私に聞くのですか?」

真理子はあえて知らない素振りをしてみる。

遠藤が本当に真理子と橘の関係性を知っているのか、確証が無かったからだ。

「橘から少しだけ相談されてたからね。小林は知らない事だから、安心して。」

真理子の体が小刻みに震えた。

遠藤の言葉をきっかけに、色んな感情が真理子の中から一気にあふれ出てしまう。

ボロボロと零れ落ちるそれを、抑えられなくなってしまった。

「えっ?あっ・・・あれ?わわわ・・・ごめん。何か、本当にごめん。」

泣き出す真理子に、どうしていいかわからず遠藤が慌てた。

予想外の真理子の反応にどうするべきか迷った末、床に鞄を置き
真理子をそっと優しく抱きしめた。

遠藤は何も言わず、黙って真理子が泣き止むまでそうしていた。

遠藤の腕の中で、真理子は雨の匂いを感じていた。
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