重い想われ 降り振られ
使い終わった資料を棚に戻しながら、腕の時計を確認した。

時計の針は9時を過ぎ、作業を終わらせようと焦っていた。

夕方から雨は激しくなりかけていた。

台風が近づいているようだ。

また電車が止まってしまうと、真理子は帰る手段が無くなってしまう。

『私って本当にいつもタイミング悪いなぁ』

自分の運の悪さに落ち込みながら、棚に資料を戻していく。

最後のファイルを棚に戻した所で、突然明かりが消えた。

ずどーん。

けたたましい轟音が響き、目の前が真っ暗になった。

「えっ何?地震?」

暗闇の中、棚に手を添えながら通路に出る。

『停電かな?こんな地下で、電気の明かりが消えるなんて最悪。』

停電ならばすぐに明かりが戻るだろうと思い、真理子はあまり動かず
しかたなくその場に座り込んだ。

徐々に暗闇に目は慣れてくるが、それでも動けるほどの視界は無い。
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