龍蝶~闇に隠された愛~【上・完】
「みんな…ありがとう。」

梨華はそう言って笑う。

「お前は十分愛されてる。だからもう…孤独なんかじゃねぇよ…」

一翔はそういい優しく抱きしめた。

「そうだね…私はひとりじゃない…」

梨華はそう言って匡のところへ言った。

「匡さん。」

「…なんだ…」

「私、匡さんに認めてもらってとっても嬉しかったんです。
私が蛇蛇に襲われたとき、匡さんが開放してくれなかったら…って。」

「だからなんだ。俺は俺のしたいことをしたまでだ。」

「だから…翔と…弟さんと戦うっていうか…その…」

梨華は頭を下げた。

「ごめんなさい。」

「黒蝶が頭を下げてどうするんだ。黒蝶は黒龍の隣で笑っていてやれ。
俺は龍蝶の副総長だ。ここで投げ捨てるなんてしない。
弟っつても腹違いだ。それにあいつはもう弟なんかじゃない。」

匡はそう言ってお茶を口に入れた。

「弟じゃないって…そんな…」

「匡?」

「あいつは骨気の総長だ。俺は…敵と言ったんだ。」

そういった匡の目には強い決意があった。

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