エレベーター


泣きながら懇願するわたしに、


『ねぇ、美香ちゃん。ここは、淋しいわ。』


中西さんは、真っ白すぎるその手をわたしに伸ばしながら囁いた。



『いや!帰りたい!帰りたい!』



わたしは狂ったように泣き叫び、その手を振り払った一。



『一なら、しかたないわね…。』



聞いたことの無い低い声で、中西さんはこう言った。



一エレベーターで此処に来たんだから、エレベーターで帰りなさいよ一




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