エレベーター
それを聞いた中西さんの口が嬉しそうに吊り上がる。


『なるほどね〜…。』


うすら笑いを浮かべたまま、中西さんはわたしの方を見た。


『ねえ、美香ちゃん。』




真由ちゃんを抱きしめる手に力を込める。



『…どういうことだか、わかる?』




わたしが返事しないのにも構わず、中西さんは続ける。





死者が生きてる者の世界に行く理由は、たった二つ。


どうしても伝えたいことがある時一


もしくは


恨みを晴らす時一





『せっかくここから出られるというのに、馬鹿な男!』



中西さんは心底愉快そうに声を上げて笑った。

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