エレベーター
最上階のボタンを押そうとした時、エレベーターの隅っこに、一人の女の子がぽつんと立っていて、思わず驚く。


…さっきエレベーター開いた時、誰もいなかったような?

ちょうど携帯に気をとられていたから気付かなかったのかな、とすぐに思い直し、女の子に声をかける。


『真由ちゃん。こんにちは。』


わたしは、その女の子に笑顔で挨拶しながら、最上階のボタンを押した。


『美香お姉ちゃん。こんにちは。』


真由ちゃんは笑顔で答える。


その女の子、真由ちゃんは、ウチの二つ隣に住む5歳の女の子だった。



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