許婚でたまるか!
笑った顔なんか品があってさ!


それになんだろ?!


同性でもこんな綺麗な人に見つめられると、ドキドキしてくるものなんだな…?!


そ、それにあたしの事、“可愛い” って言ってくれたぞ!!



「あの、助けてくれたお礼をしたいんだけど、」


と、その綺麗な人は畏れ多いことをあたしに申し出てきた!


「え!!いえ、そんな気にしないで下さい!!それにあたしもストレス解消になったし!」


「でも、本当に凄く助かったのは事実だから。用事があるのも嘘じゃないし…。あ!そうだ。」



その女性は手帳を取り出すと、紙に何やらサラサラと文字を書いているみたいで。


そして書いた部分の紙を切り離すと、あたしに手渡してくれた!



え!?こ、これは!



「私の名前と連絡先を書いておいたから。今日は時間が無いから残念なんだけど、近いうちにお礼させてもらえると嬉しいな!」



い、いいのだろうか……?!



あたしが迷っているとその女性は微笑んで言う。


「あまり堅く考えないで?私がお礼したいだけだから。……あ!時間だ!私もう行くね!」
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