許婚でたまるか!
あたしの制服のポケットから流れ出る爆音の着信音は、周囲に轟き響き渡る……!




「「ーーーっ!?」」




すると主将と優子は弾(はじ)かれたように急いで互いの身体から離れた!




や、やばい!!




完全に気付かれた……!



あたしは急いで携帯の電源を切ったけど、時は既に遅かった……。



「たち…ばな……。」


「み、美香………!ど、どうして……!?」


二人を見ると完全にうろたえていたっ!!



“なにかいけないことをしてしまった!”



そんな様子がヒシヒシとあたしには伝わってきた!!



「なに…を……してんの…………?」


あたしの第一声はそんな分かり切った言葉だった。



「み、美香!あの、これはね、」


「ーーッ橘!!」



っ!主将!



主将が優子の声を遮って、あたしの目の前まで来る!



そして、



「悪いが、このことは見なかったことにしてもらえないか……?」


「…………………………は?」




いま主将、なんて言ったんだ…??
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