許婚でたまるか!

弱味

翌朝ーーー



あたしは久しぶりに深い眠りについていた。



優子との悩みに対して、自分なりの答えを出せたからか、良い心地で眠っていた。



気がつけばもうそろそろ夏休み。



学校へ行くのも、指で数える程しかなかった。


夏はもうそこまで来ていた!



ゆえに……、




暑い!!!



あたしは我慢できずに掛け布団を剥いで寝ていた。



すると。




モゾモゾ




…………………。





……………。




ん?



いま……なにか……そばでうごいた……かぁ…??



シーツの擦(こす)れる音がすぐ側で聴こえてきた。


確か、前にもこんな事があったような気がする…。


半分夢の中の頭で、そう考えていると……。




モゾモゾ




「…………むにゃ?」



背中や腕、足、首を何かが触ってくる!


くすぐったくて半分目を開けるあたし。




と、そこに!



「おはよ…サル子。早く起きねぇと、遅刻するぞ?」



………………………。




………………。





………へ?




なん…で………さえき…??



冴木の顔があたしの目と鼻の先にある。


「……………。」


……なぜだ?


なぜヤツの顔が、こんなに近くにも……??



もしかして…これは…夢…か??
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