許婚でたまるか!
あたしはコイツのせいで最近、テンションが下がりっぱなしだ!



でも、


もう仕方ないんだよな〜…。



うちに住み始めちゃったわけだしさ!


「と、とにかく!謝ったからな!?これ以上恨み言は言うなよ?!!さ、先に行ってるからな!!」


と、あたしはかなりバツが悪かったのもあって、


一人ズンズンと歩いていった……。







美香に置いていかれたヒロは、彼女の後ろ姿を見てわずかに笑みがこぼれた。


そして、一言。


「…………猿は猿でも、“正直猿” ……か。」


この時のヒロの笑みは、一切の偽りは無かった。
< 62 / 264 >

この作品をシェア

pagetop