君のココロの向こう側
この4年で、言い訳は随分巧くなったと思う。

別れてからずっと1人だったわけじゃないけど、いつも心の中には彼がいた。

彼だったら……って無意識に比べて、どれもうまくいかなくて。



「私も仕事に生きるから」



恋愛には向いてない。

これから先、きっと彼以上は現れない。

だったらもう、誰も愛さなくていい。



つくづく私って……と、グラスを呷る。

それを見た瑞穂は、冗談半分に笑った。



「仕事に生きるために、もうちょっと給料増やしてほしいよねー」

「それよね。月案とか夜遅くまで作って徹夜した後とか今にも倒れそうだからね」

「福祉関係の仕事、社会的地位低過ぎなのよ。肉体労働なめんなっつう」



いつものように溜め込んだ愚痴を吐き出す。



何も変わらない光景、何も変わらない毎日。

それは明日も、同じように訪れるんだと思ってたんだ。



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